この記事は フィルムカメラ Advent Calendar 2017 10日目です。素敵なアドベントカレンダーを見つけたので参加させていただきました。
はじめに
今回は主に Minolta のMFカメラ XG-E, X-700 を中心に、自分のフィルムカメラの思い出について書こうと思います。記事の最後に久しぶりにフィルムカメラでスナップしてきたものをアップします。
筆者のプロフィール
高校時代は写真部に所属して、自分でフィルム現像をしたりしたが、あくまで趣味の域。大学時代は登山をしていたためコンパクトデジタルを中心に変更。その後ずっとカメラからはご無沙汰となっていたが、最近メイドカフェ関係のイベントを主催するため、メイドさんの撮影をするために一眼レフの使用を再開しました。
撮影対象の遍歴: 鉄道 → 山 → メイドさん
使用機材の遍歴: MF一眼レフ → コンパクトデジカメ → ミラーレス
XG-Eを持って高校写真部に入部
今から20年くらい前、当時はAF(オートフォーカス)のフィルムカメラ全盛期でした。
親が突然「昔使っていたカメラを倉庫から見つけてきた。お前にやろう」と言ってくれたのがMinolta XG-Eというカメラでした。素人には使い方も分からず、写真部の人たちに見せにいったら「なんだこれは!○○先輩に見せよう!」「ほうほう。お前、ミノルタのMF担当な!」となって、(どの道一人では使いこなせないので)入部させてもらって色々教えてもらいました・
この頃、このXG-Eを首から下げてカメラ屋に行ったら年配のお客さんに「良いカメラ持ってるねー!今時はプラスティックばかりでだめだよねえ」などと声をかけられたりしました。たしかにね。冬なんか、ボディにほうを当てるとヒンヤリきたのを覚えています。(XG-Eはそれから10年くらい経った後、電源が入らなくなり完全にご臨終してしまいました)
レンズは MD-Rokkor 50/1.7 を使っていました。50mmは標準レンズと言われますが、この画角はコンパクトカメラによくある28mmや35mmに比べると「随分狭いな」と当時は思いました。これ一本で3年間強制的に練習した結果、今は50mmという画角が好きです。(写真部仲間はみんなズームレンズを使うっていて、単焦点を使っているのは僕だけでした)
XG-Eで撮影した写真
主に高校〜大学1年生くらいの時に愛用していました。これは2003年夏に宗谷本線で稚内まで旅行したときのものです。
X-700(1台目)
X-700は1981年に発売し2000年頃まで生産されていた、MinoltaのMFカメラの完成形とも言えるカメラです。
高校3年生の時に新宿のマップカメラで買いました。当時はまだ各社のフィルムカメラの中古がずらーっと並んでいて楽しかったですね。これを選んだのは Minolta X シリーズでは一番状態のいいものが手に入れやすかったからです。購入時店員さんに「僕も持ってたんですよー!懐かしいなあ」と言われて盛り上がりました。
X-700で撮影した写真(当時)
鉄な写真が多いのは鉄だったからですw
2度目のX-700
そんなX-700も一度は手放してしまい、大学生の頃は登山をしていたのでCoolpix 2100など軽くて、壊れてもそんなにショックではないコンパクトデジカメをメインにしていました。就職後はそれも手放して写真から離れていたのですが、3年前に思い立って再度X-700を手に入れました。レンズは前より少し良い MD-Rokkor 50mm/1.4 を付けました。本体とレンズそれぞれ 10000円くらいだったと思います。
撮影対象は時の流れとともに変わっていました。
最近はメイドカフェ関係によく出入りするのですが、この界隈にはレイヤー(コスプレイヤー)さんの撮影を趣味としている方が多く訪れるので、彼らはとても高スペックなカメラを持っています。そんな中で埋もれないためにはいっそこれくらい振り切ったほうが注目されるだろうという、あざとい魂胆もあったりしますw
X-700で撮影した写真(最近)
久しぶりに使ってみると、年で目が悪くなったのか、以前よりもピンボケと手ブレ写真を続出しました。それがかえって女の子から「雰囲気出る」と喜ばれたりもしました。。。orz
MFカメラの良さはファインダーにあり
MFカメラはファインダーにとても力が込められています。自分の目でフォーカスを合わせなければならないので、倍率が高く、明るく見えるように作られています。例えばこのX-700はアキュートマットが採用されているのでとても明るいのが特長です。
この技術はその後AFカメラになると別の方向へ向ってしまいました。AF時代ではフォーカスを合わせることは自動化されたため、より多くの情報を出すことに重点が置かれて行きました。デジタル一眼となると、なおさらそれに拍車がかかったように思います。
僕がデジタル一眼になかなか手を出せなかった理由がそれでした。そんなファインダーを見ることが残念だったからです。
X-700、α sweetで撮影してきた
せっかく Advent Calendar やるので、この X-700 と、もう一つ所有していたフィルムカメラ α sweet を使って、写真を撮ってきました。
フィルムは富士フイルムの業務用カラーフィルムを使用しました。今はフィルムが高いですね。(;´Д`)
2017/11/12 城ヶ島にて(X-700 MD-Rokkor 50/1.4 φ49)
2017/12/02 上野公園にて(X-700 MD-Rokkor 50/1.4 φ49)
2017/12/03 秋葉原にて(α sweer SIGMA UC ZOOM 28-105/4-5.6)
後日談、フィルムカメラを卒業しました
これらの写真を撮影した後、僕はフィルムカメラをその足で売ってきてしまいました。それは次の理由からでした。
- 目が悪くなっていてファインダーを覗くことが辛くなっていた (←これが1番!)
- 撮影後すぐにSNSにアップしたさを抑えられなかった (←これが2番!)
- フィルムが高い (これは3番!)
- もう満足した!
実は最初からそう決めていました。目的がない装備は持たないのが僕のモットーです。でも、カメラ・レンズってそうはさせてくれない力がすごいありますよね。おそらく現像から上がった写真を見てしまったらまた踏ん切りがつかなくなったはずです。だから、現像に出した直後に即売却しました。
僕がろくに使わないのに押し入れにあまり良くない状態で保管しておくより、他の人の手に渡ったほうが良いだろうと思ったことも理由です。今X-700を中古で買うともしかすると僕の手放したものかもしれません。ちなみに今、8980円くらいが相場のようです。
フィルムカメラが教えてくれたこと
手放してはしまいましたが、フィルムカメラからたくさんのことを学びました。その中でも次の2つは僕の撮影スタイルに影響していると思います。
その1、一枚一枚丁寧に撮ること
このアドベントカレンダーの他の方も書いているように、フィルムカメラはデジタルと違って失敗すると消すことができないため1枚1枚丁寧に撮ります。デジタルは無尽蔵に写真が撮れるので雑に僕は撮ってしまいがちです。でも、そうやって雑に撮った写真は「全部ダメだった」ということもよくあります。
その2、24枚、36枚でストーリーを作る
フィルムは24, 27, 36枚などの単位で売られています。つまり、このフィルム一本分を撮りきれないと現像に出せないし、撮りきってしまうともう撮れないというジレンマがありました。一本のフィルムでぜんぜん違う写真を並べるのも野暮いです。なので、当時は24枚や36枚でストーリーを作るぞ!と考えて撮影をしていました。
ストーリーを考えると「さっきこれを撮ったから次はこれだ」みたいに考えながらその日を楽しむことができます。受け身にならず一日をより能動的に過ごすことができます。
逆に、バシャバシャ撮ってしまうとファインダーを覗いてばかりで、「その日、その時」を楽しめない気がするんですよね。プロの場合は仕方がないかもしれませんが、僕は趣味なので
「失敗したらそれでも良いや」
くらいに思っている方が楽です。それくらいの距離感を忘れずにこれからもまったり写真を撮っていきたいです。