同じ機能のテンプレートが複数セット存在する場合を考えます。例えば、/1/A.htmlと、/2/A.htmlは、デザインが違いますが、全く同じ機能だとします。このとき、/1/A.mayaa を /2/A.mayaa に複製するのが基本です。しかし、それだと、/1/A.mayaaを修正したときは、同時に/2/A.mayaaも修正しなくてはなりません。/3/A.mayaa、/4/A.mayaaのように、さらに複製されていた場合はなおさら厄介です。
複数のテンプレートが共通のMayaaファイル(Specファイル?)を参照する場合、手っ取り早い方法としては、templateSuffixを使う方法があります。
http://mayaa.seasar.org/documentation/template_suffix.html
しかし、上記のようにフォルダでテンプレートをグループ分けしたい場合は、suffixは使いにくいです。
シンボリックリンクによる方法も簡単です。これなら、Mayaaのカスタマイズなしに、すぐに使えます。しかし、Windows上でテストできない点が私はネックだと思いました。Javaシステムなので、OSやサーバに依存しないで解決したいです。
この度、Mayaa ユーザメーリングリストにて、次のように質問させていただきました。
http://ml.seasar.org/archives/mayaa-user/2009-December/000868.html
suga様の回答(ありがとうございます。)を参考に、SourceDescriptorのカスタマイズによって解決しました。以下ソースを貼っておきます。
package mypackage; import java.io.InputStream; import java.util.Date; import org.seasar.mayaa.impl.source.PageSourceDescriptor; import org.seasar.mayaa.source.SourceDescriptor; public class MyPageSourceDescriptor extends PageSourceDescriptor { // ルートのmayaaファイルを探しに行くディスクリプタ private SourceDescriptor rootDescriptor = new PageSourceDescriptor(); // 注意:SystemIDはmayaaファイルの絶対パス /** * ソースSystemIDを設定する。 * * @param systemID */ @Override public void setSystemID(String systemID) { super.setSystemID(systemID); // ルートのパス取得。 String rootId = getRootId(systemID); if (rootId != null) { rootDescriptor.setSystemID(rootId); } else { rootDescriptor.setSystemID(systemID); } } // 要求パスからルートのパスを解決する。 private String getRootId(String systemId) { if (systemId.startsWith("/client_info/")) { int pt = systemId.indexOf("/", "/client_info/".length()); if (pt != -1) { return systemId.substring(pt); } } return null; } /** * ソースが存在するかどうかを取得する。 * * @return ファイルが存在すればtrue。無ければfalse。 */ @Override public boolean exists() { // ルートの方が見つかりやすいから、処理高速化のためルート優先 return rootDescriptor.exists() || super.exists(); } /** * ファイルのインプットストリームを取得する。 * * @return ストリーム。もしファイルが無い場合は、null。 */ @Override public InputStream getInputStream() { InputStream result = super.getInputStream(); if (result == null) { result = rootDescriptor.getInputStream(); } return result; } private static final Date nullDate = new Date(0); /** * ファイルの日付を取得する。 * * @return ファイルの最終更新日付。ファイルが無い場合は「new Date(0)」を返す。 */ @Override public Date getTimestamp() { Date result = super.getTimestamp(); if (result.equals(nullDate)) { result = rootDescriptor.getTimestamp(); } return result; } }
このようにラッパーにすることで、外側からは完全に隠蔽しつつ、内部で代替ロジックを動かすことができます。教科書的に言えばMyPageSourceDescriptor はSourceDescriptorをimplementsして、PaseSourceDescriptorをもう一つフィールドとして持ち、メソッドをそちらに移譲するようにした方が、構造がわかりやすいでしょう。しかし、それだとコード量が増えてしまうので、わかった上で継承で代用することはありだと思ってます。
これを動かしたところ、うまくユーザごとのMayaaファイルが存在するときはそちらを、存在しない時は、ルートのMayaaファイルを処理するようになりました。
また、この修正の副作用として、ユーザのテンプレートが存在しない場合に、ルートのテンプレートを探すようになりました。内部的にinsertしている場合も、うまいこと処理してくれるので、Mayaa内部で賢いことをしてくれているのだと思います。
勘違いしてました。SourceDescrptorは、mayaaファイルだけでなく、htmlテンプレートも探しに行くようです。私としては大変都合が良いことでしたが、勘違いしないように気を付けた方が良さそうですね。